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レジストリとは
片原
「ようこそ。波洲研究所の片原到志と申します。」
麻績村
「どうも。麻績村と言います。」
三井
「三井です。よろしくお願いします。」
片原
「こちらこそ。 ところで、お二人は Windows はお使いですか?」
麻績村
「使ってるけど、最近調子悪くてね。やたら起動に時間かかるし、昨日なんか『レジストリエラー』だっけ? そんなのが表示されて止まっちゃったよ。おかげで報告書作り直し。」
片原
「それは大変でしたね。それでレジストリに関心をお持ちに?」
麻績村
「昨日の今日だからね。」
片原
「三井さんは、どうですか?」
三井
「以前から Win9x のレジストリには関心を持ってまして。でも詳しく調べようとしても、6つのキーの話とか、Tips とかばかりで、辟易していたところです。」
麻績村
「さやかってさぁ、やっぱりマニアックだよなぁ。自分あんまり Windows 詳しくないんで、片原さん、分かり易く頼むよ。」
■□■ レジストリとは何ぞや? ■□■
片原
「では、
レジストリとは何ぞや
と、そこから始めましょう。」
片原
「Win9x の先代『Windows 3.1』までは、システムや導入したアプリケーションの設定情報は、
『iniファイル』
と呼ばれる設定ファイルに収められていました。iniファイルは各アプリケーション毎に作られ、Windows フォルダやアプリケーションの導入されたフォルダに、アプリケーション任せに置かれていました。システムを管理していく上で、ini ファイルがディスク内のどこかにある、という状況は好ましくありません。」
片原
「ところで実は Windows 3.1 にもレジストリは存在していました。OLE の Class 情報を『登録(register)』するために使われていたのです。OLE 対応アプリケーションは皆レジストリを参照する、つまり OLE 情報は
レジストリによって一元管理
されていましたので、OS メーカーとしては OS のバージョンアップの際に、ini ファイルの欠点を補うべく、
レジストリファイルでシステムと全てのアプリケーションの設定情報を管理
しようと目論んだのでしょう。そして Windows 4.0 とも言うべき Windows 95 で実現されたのです。」
麻績村
「OLE って何?」
三井
「簡単に言うと、ワープロで作ってる文書に絵を貼り付けて、それをダブルクリックしたときにペイントソフトが起動する仕組みよ。」
麻績村
「おぅ、なるほど。」
■□■ 混沌化するレジストリ ■□■
片原
「ところがこのレジストリ、 Win9x をずっと使い続けていくと、動作を不安定にする原因の1つになってしまうのです。
・
Win9x の起動にかかる時間が以前より長くなった
・
Win9x の終了時に「電源を切る準備ができました」の画面まで行かない
・
レジストリエラーが起きる
・
いきなりスクリーンセーバが起動する
・
アプリケーションを終わると、システムがフリーズする
環境によって違いますが、おおかたこのようなことが起きるようです。」
麻績村
「何で?」
片原
「レジストリは、使い続けることによって、中にある情報が
整然と並ばなくなっていく
と同時に、その
サイズが肥大化
していくのです。肥大する原因は後で説明しますが、レジストリのサイズが大きくなれば、情報の参照や更新に時間がかかるようになりますから、マルチタスクのシステムでは困ったことになります。」
麻績村
「んー、自分のパソコンもレジストリが肥大化してるかな。」
片原
「パソコンを買われたのはいつ頃ですか?」
麻績村
「Win95 が出たとき。」
片原
「買ってからシステムの再導入を一度くらいなさいました?」
麻績村
「いや。フリーズしても電源入れ直せば動くし、まあいいかって思って。」
三井
「真二くんの場合、アプリケーションの入れ過ぎも原因じゃないの?」
麻績村
「俺じゃねぇもん、導入したの。」
※OLEのことを現在はCOM(DCOM)と呼ぶらしい.OLE→OCX→ActiveX→COMと呼び名が変化してきた.オブジェクトの対象範囲が広がっただけで意味しているものは変わっていないようだ.
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