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不要な枝の分析
片原
「まずは、レジストリを肥大化させる『後天的な原因』からご説明します。レジストリエディタをお使いになったことは?」
三井
「たまに使うわ。キーの持つ値を変えたりするんで。」
片原
「麻績村さんはどうですか?」
麻績村
「ん〜? 知らないねぇ。」
片原
「ちょぅっと手を休めて頂いて、『スタート』ボタンをクリックして、『ファイル名を指定して実行』を選んでもらえますか? そうしたら『Regedit.exe』と打ち込んで Enter を押してみて下さい。」
麻績村
「お、これ? レジストリエディタ・・・。」
片原
「各部分の呼び方は、このようになります。」
片原
「レジストリ
キーは『¥』で区切って階層を表現
します。ファイルやフォルダのパスの表し方と同じです。これを
レジストリパス
と呼びます。レジストリキーのフォルダマークの左側に『+』記号があるときは、さらに下の階層のキーがあることを意味しており、+記号をクリックすると1階層下のキーが展開されて見えるようになります。」
麻績村
「エクスプローラみたいだね。」
片原
「ここで、次のレジストリパスを、レジストリファイルとして書き出して、そのサイズを比較してみます。レジストリファイルへ書き出すには、『ファイル』メニューにある同名のコマンドを使います。」
A) マイコンピュータ
レジストリの全データ
B) HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE
全ユーザに共通のソフトウエアの設定データ
下の「C)」の中身を含んでいる(任意のキーを除いて書き出せないので仕方ない)
C) HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes
OLE クラスデータ
D) HKEY_CURRNET_USER
現在のユーザの設定情報
E) HKEY_CURRENT_USER\Software
現在のユーザのソフトウエア設定情報
F) 他に気になるレジストリキー
もしあれば
片原
「次に書き出したレジストリファイルのサイズ比率を比較してみます。ファイルサイズはエクスプローラで見ればよいでしょう。」
1.[C)のファイルサイズ]÷[A)のファイルサイズ]
=クラス情報の全体比率
2.[C)のファイルサイズ]÷[B)のファイルサイズ]
=クラス情報の対システム情報比率
3.[E)のファイルサイズ]÷[D)のファイルサイズ]
=現在のユーザのソフトウエア情報比率
4.[B)とE)のファイルサイズの和]÷[A)のファイルサイズ]
=システムを含めたソフトウエア設定情報の比率
片原
「私の環境での具体的な数値で比較してみると・・・
A.REG : 3433(KB)
B.REG : 2471(KB)
C.REG : 1888(KB)
D.REG : 533(KB)
E.REG : 495(KB)
となったので、
C / A = 55.0(%)
C / B = 76.4(%)
E / D = 92.9(%)
(B + E) / A = 86.4(%)
環境によって異なりますが、レジストリの中はソフトウエアの設定情報がほとんどで、中でも
OLE クラス情報の占める割合が一番高い
のです。」
三井
「レジストリのデータには、文字列だけでなく、数値もあったと思うんですけど、レジストリファイルとして全てテキスト化したら、比べることに意味があるのでしょうか?」
片原
「レジストリキー名は全て文字列ですし、レジストリデータも文字列で格納しているものが多いようです。ですからテキスト形式で書き出しても、大体レジストリ内部で占めているサイズに近いはずです。このサイズ比較は正確な比率を求めることが目的ではなく、あくまで目安として試すものです。」
片原
「基本的に
OLE クラス情報は
、該当アプリケーションがアンインストールされるときに一緒に削除されなければ、人間が手作業で削除するのは非常に手間が掛かるので、
あまりさわれない部分
となります。」
片原
「レジストリ再構成前にソフトウエアの不要な設定情報を削除すると効果があると先ほど言いましたが、どんなに頑張っても OLE クラス情報のレジストリツリーのサイズ以下にはできないのです。」
三井
「OLE の情報の他にもシステムが稼働するのに必要な情報もあるし、当たり前ですね。」
片原
「はい、当たり前と言ってしまえばそれまでなんですが、
レジストリを再構成すれば、レジストリはコンパクトになるけれども、そのコンパクトになるサイズの限界は意外に近いところにある
ということを再認識して頂ければ結構です。」
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