■ 不要と思われるレジストリキー
▼以下に、削除しても然したる問題の起こらないと思われるレジストリキーを列挙する.
「●印」以降に示したレジストリパスの中に在るキーやデータが削除対象なので間違わないように。特に「キー」と「データ」を混同しないこと。
解説の中で、より安全なキー削除方法を示している場合もある。
(99/02/24追記)なお、削除してもシステムによって自動的に復活するキーやデータは載せなかった(MRUなど)。レジストリのサイズ削減には貢献しないからだ。
★ HKEY_LOCAL_MACHINE\ 以下
● Config\0001\System\CurrentControlSet\Control\Print\Printers\
このキーの下に使用しないプリンタの名前のキーがあれば、「コントロールパネル」→「プリンタ」を開き、該当するプリンタを削除する。既にドライバがなく名前だけ残っている場合は、このキーの下にあるそのプリンタの名前のキーを削除する。
複数の環境設定があると、「0001」ではない数字で始まるレジストリツリーがあるかもしれない(未確認)。
● Enum\
PCに接続されている(されていた)全デバイスのデータが格納されている。「マイコンピュータ」→「プロパティ」→「デバイスマネージャ」で表示されるものと同じ。但し標準モードでWIN95を起動していると、1度きり接続されたデバイスなど表示されないものがある。セーフモードでWIN95を起ち上げ、デバイスマネージャを開いてデバイスツリーを展開すると、初めて全ての登録デバイスが表示される。ここで不要なデバイスを削除する方が安全である。
標準モードで削除するには、このキーの下にあるキーを一つずつ展開してクリックし、キー自身の名前やレジストリエディタの右側の窓に表示される「DeviceDesc」を確認し、不要と確信できるデバイスのキーを削除する。判断のつかないものは絶対に削除しないこと。
● SOFTWARE\
インストールしたソフトの共通の環境設定などが格納されている。アンインストールしたのに残っているソフト(またはメーカー)のキーは削除できる。
このキー以下に有るキーは比較的安全に削除できるが、SOFTWARE\Classes 及びそれ以下のキーは絶対に削除してはいけない。
たいていはメーカー名かソフト名がキーの名前になっているので、見当がつきやすいだろう。ツリーを末端まで開いて中身をよく確認すること。例えば同じメーカーのソフトを幾つか使っており、その中の1つをアンインストールしてなおレジストリキーデータが残っていることに気づいたとき、いきなりメーカー名のキー以下をごっそり消すと悲劇が起きるかもしれない。とにかく判断に迷ったら削除しない。
むろん、将来再インストールする時に備えて設定データを残して置きたい場合は、削除しないでよい。
Microsoft のキーについては次を参照。
■ SOFTWARE\Microsoft\
おそらく登録ソフトの多さではどれよりも勝るであろう。ただし誤って削除した場合の危険度も、他のキーに勝るので特に注意したい。削除の要領は上と同じである。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\AppPath\
ここに登録されているソフトは「ファイル名を指定して実行」の時、フルパスで指定しなくてもファイル名だけで実行できる。既にハードディスクに無いソフトのファイル名があれば削除する。
逆に、手動でここにソフトを登録すれば、パスの通っていない所にある実行ファイルでも、ファイル名だけで起動できるようになる。書式は既存のキーに倣う。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\explorer\Tips
WIN95の起動時に現れる「WIN95へようこそ」で表示される Tips の内容である。この機能を使っていないなら、当キーのデータを全て削除してしまおう。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Extensions\
拡張子とアプリケーションとの関連づけデータ。あまり触らない方がよいキーだが、WIN.INI の [Extensions] セクションや、エクスプローラの「表示」→「オプション」→「ファイルタイプ」に現れないものは、関連づけが死んでいると思われるので削除できるだろう。
どちらかに現れていたキーで削除したいものは、WIN.INI ならシステムエディタで該当セクションの該当行を削除しファイル保存してWIN95を再起動、エクスプローラならそのまま関連づけのリストから項目をクリックして選択し削除ボタンをクリックする。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\MS-DOS Emulation\AppCompat\
過去の「純DOS専用ソフト」をDOS窓で動作させる(あるいは動作させない)ためのシステムデータ。DOS窓で使う可能性のないソフトのキーは削除できる。
実は WIN.INI の [Compatibility] セクションにも同様のデータがある。こちらも該当するものを削除しておいた方がよいだろう。
ここは結構削除できるキーの多い所ではないだろうか。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Network\LanMan\
LANマネージャのネットワークでファイルやプリンタの共有を行っている場合、ここに情報が格納されている。過去の共有情報が残っていたら削除する。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Time Zones\
タイムゾーンの設定データ。おそらく日本人の殆どは「Tokyo(東京)」のみを使うはずなので、それ以外を削除できる。
ただし削除した地域は、タスクトレイの時刻表示をダブルクリックして現れるウインドウの、タイムゾーンタグに表示される世界地図からも消されてしまう。
DiskXToolsのレジストリクリーナを使ってもこの項目を削除可能だ。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\
アンインストール情報。パソコン雑誌にも時々載るキーだ。「コントロールパネル」→「アプリケーションの追加と削除」→「セットアップと削除」タブにあるアプリケーションリストの中で、既にハードディスクから手動で削除してしまっていたりしてアンインストール機能が働くなっているものがあれば、このレジストリパスの下にある同名のキーを削除する。
■ SOFTWARE\Microsoft\Windows\Help\
一度開いたヘルプファイルの場所を覚えておくキー。ここに無いヘルプファイルは開かれる時にここに登録されるので、全て削除してしまっても問題はなかろう。不安なら2度と開く予定のないヘルプファイルのキーのみ削除する。
● System\CurrentControlSet\control\InstalledFiles
インストールされたファイルのリスト。
マイコンピュータから「検索」をかけて、ここに含まれているデータの項目と同じ名前のファイルが、全てのディスク上に存在しなければ、削除できるデータだと思われる。
● System\CurrentControlSet\control\keyboard layouts\
国別キーボードレイアウトのドライバデータ。「0」で始まるアルファベット圏のキーボードレイアウトデータは削除できそうだ(自信なし)。
ただし、削除した地域は、コントロールパネルの地域のプロパティに表示される世界地図からも消されてしまう。
● System\CurrentControlSet\control\PerfStats\Enum\
システムモニタでモニタする項目の説明文。システムモニタを使う予定がないなら削除する。
● System\CurrentControlSet\control\Print\Environments\Windows 4.0\Drivers\ 、
System\CurrentControlSet\control\Print\Printers\
一度しか接続しなかったプリンタの設定データなどあれば、そのプリンタ名のキー以下を削除する。
● System\CurrentControlSet\control\SessionManager\AppPatches\ 、
System\CurrentControlSet\control\SessionManager\CheckBadApps\
System\CurrentControlSet\control\SessionManager\CheckBadApps400\ (add 99/02/24)
起動時にOSからのチェックが入るアプリケーションの実行ファイルが登録されている。16ビットまたは初期の32ビットアプリが主だろう。古いソフトを絶対に使わない自信があれば、キーを削除できると思われる。
ただ万が一を考えると、削除しない方が良いかもしれない。
● System\CurrentControlSet\control\SessionManager\CheckVerDLLs\ 、
同じく ...\Known16DLLs\、...\KnownDLLs\、...\WarnVerKnown16DLLs\
右側の窓に表示されているファイルが、全ディスク上を検索しても存在しないなら、そのデータを削除できるかもしれない。
ただしDLLは、どんなものがソフトのインストール時に組み込まれるかわからない。明らかに特定のアプリケーションに依存するDLLで、そのアプリをアンインストールした今となっては必要のないDLL情報である、と言い切れるデータのみ削除ができると考えたい。
★ HKEY_USERS\ 以下
● .Default\AppEvents\Schemes\Names\
「コントロールパネル」→「サウンド」で設定するサウンドセットの名前がリストされている。使っていない設定があったら、まずコントロールパネル経由で該当する設定を削除する。
「サウンドの設定」で削除しても残っている設定と同名のキーがあれば削除する。.Default\AppEvents\Schemes\Apps\ 以下にはアプリケーション、イベント、サウンドセット名の順に階層が組まれているので、そちらも参照し該当する名前のキーを削除する。
● .Default\Control Panel\Appearance\Schemes
「画面のプロパティ」の「デザイン」タブに表示される配色データが格納されている。使っていない設定は必ずあるだろう(大抵の人は常用の設定ひとつ以外不要なのでは?)。プロパティウインドウで不要な設定名を選択して削除しても、このキーに含まれる同名のデータを削除してもよい。
1データ当たり約500バイト占めているので結構「おいしい」部分だ(?)。
● .Default\InstallLocationsMRU
アプリケーションやデバイスドライバをインストールした最新のディレクトリ名が格納されている。
レジストリエディタの右側の窓に表示される、アルファベット1文字のデータ名を全て削除する。「MRUList」をダブルクリックして開き、「値のデータ」で示される「abcde」などのアルファベットの並びを削除し、OKをクリックする。
● .Default\Software\
インストールしたソフトの、ユーザー別の環境設定が格納されている。アンインストールしたのに残っているソフト(またはメーカー)のキーは削除できる。
将来再インストールする時に備えて設定データを残して置きたい場合は、削除しないでよい。
Microsoft のキーについては次を参照。
■ .Default\Software\Microsoft\
重ねて言うまでもない(HKEY_LOCAL_MACHINE の同項参照)。
■ .Default\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Applets\
「コントロールパネル」の「アプリケーションの追加と削除」で削除したWIN95のシステムアプリケーション(ペイントやワードパッドなど)の名前が残っていたら削除する。
■ .Default\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\
このキーの下、キーの名称の終わりが「〜MRU」となっているものおよび「RecentDocs」は、そのデータを削除できる。削除の要領は上の「.Default\InstallLocationsMRU」を参照すること。
■ .Default\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\MenuOrder (add 99/02/24; by kyu-taro)
このキーの下には、お気に入り「Favorite」及び、スタートメニュー「StartMenu」のキーがあり、それぞれ実際のフォルダ階層の通りにフォルダ(項目)の名前でキーが登録されている。
しかし、実際のフォルダを削除してもこちらのキーは消されないことがあり、そうなってしまったキーを発見したら削除する。
■ .Default\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Telephony\Cards\ (add 99/02/24)
「コントロールパネル」の「モデム」を開き、「ダイヤルのプロパティ」を押し、「所在地情報」タブにある「長距離通話に使用するカード」で選ぶカード名称である。なおこれはWindows98のみのキーで、Windows95ではレジストリでない別の所に情報が格納されているようだ。通話カードを全く使わないユーザ、あるいは特定のカードしか使わないユーザは、不要なカード名のキーを削除できる。
このキーの下の「Card0」以外のもので、「Name」データが自分が使わないものであれば削除する。削除を終えたら「...\Cards」のキーにある「NextID」「NumEntries」の両方に、現在残っているカード情報の数を入力しておく。
安全に削除したいなら、先に書いたコントロールパネルのほうで「変更」ボタンを押すと、通話カードの変更ウインドウが開くので、そこで設定を確認しながら削除するのもよいだろう。
削除したらレジストリエディタを終了し、WIN95を再起動させる。再起動が成功したら、普段使っているアプリケーションが全て正常に動作することを確認する。できればしばらく様子を見て、不具合がなければ成功である。
不具合があれば、直ちにレジストリを復旧する。
(kyu-taro様の追加情報ご提供に感謝)