■ Norton Utilities version 3.0
このインストールCDには、パッケージに印刷された13のツールの他、多くのユーティリティを含んでいる。うち「Norton Optimization Wizard」では、Windows環境最適化の1つとしてレジストリ圧縮を行える。ウイザードのこの画面でチェックボックスを入れるだけでよい。
動作を観察すると次の事がわかる。
1.再起動前に最適化レジストリは出来てしまっている。
再起動を止めて Windowsフォルダを覗くと、SYSTEM.PAK・USER.PAKというファイルがある。これが圧縮されたレジストリなのだ。例として、当方の環境での圧縮状況を示そう。
最適化前 | SYSTEM.DAT 567,088(Byte) | USER.DAT 94,544(Byte) |
最適化後 | SYSTEM.PAK 505,500(Byte) | USER.PAK 49,184(Byte) |
*.PAKファイルが圧縮後のレジストリだと言い切れる理由は、次にある。
2.WININIT.INIで *.PAK を *.DAT に名前変更している。
これも再起動を止めて調べると分かる。WindowsフォルダにあるWININIT.INIは、Windows起動前に読み込まれファイル名変更やシステムファイルへの各種登録設定を行う記述がなされるファイルで、WININIT.INIを処理中には、日本語WINDOWSではよく知られた「設定ファイルを更新しています/数分間お待ち下さい」のメッセージが表示される。
Optimization Wizard のプログラム OPTWIZ.EXE をクイックビュアで見ると、ADVAPI32.DLL(レジストリアクセス用のAPI群)を利用している。さらにダンプしてみると、SYSTEM.DAT・USER.DAT・SYSTEM.PAK・USER.PAKのファイル名が格納されている。API経由でのレジストリアクセスであれば、レジストリのファイル名をプログラムが知る必要性は全くない。つまり、Optimization Wizardは、レジストリを直接参照して圧縮を施していると思われる。
このレジストリ圧縮の方法は、レジストリエディタのバグに全く影響されない点では優れているが、レジストリのバイナリ構造が変わってしまうと使えなくなる。よって Windows95 専用なのだ。逆に、Windows 95 のユーザであれば誰でも利用できるとも言える。「REGEDIT /E→/C」が行えない環境の人でも、Optimization Wizardさえあれば簡単・迅速にレジストリの圧縮が行えるのである。
Norton Utilities には、他にもレジストリ関係のツールが入っている。
◆Norton Registry Editor
WIN.INI、SYSTEM.INIやリモートレジストリまで1つの画面で扱えるようになっている。レジストリキーの種別をWindows標準添付のレジストリエディタREGEDIT.EXEよりも細かく選べる。
ところで、このツールで書き出したレジストリファイルは、REGEDIT.EXEで書き出したものと、書式がやや異なる。長いバイナリデータを書き出す際、一行目に書き出すデータの数が違うのだ。書き出されるデータの数は当然同じなので、心配はない。
◆Norton Registry Tracker
レジストリファイルの変更を監視するためのツールである。使いこなしていないので、レポートは省く。
◇NUREGED.EXE
レスキューディスクにコピーされるレジストリエディタで、正体は AT互換機用・英語Windows95-OSR2.x付属のレジストリエディタのGUI部分に変更が施されたものである。この変更で、GUIでレジストリを書き出した際の書式が、コマンドモードでレジストリファイルを書き出したときと同じになるようだ。
◇REGPATCH.EXE
一部のWEBサイトで取り上げられている、Visual C++の最新版を使用した際のレジストリの問題を、改善する為のものである。