■
Nuts & Bolts Ver.2.0
なお、このページにある「Nuts&Bolts」の画面画像および引用文を
他所で使用したい方は、ネットワークアソシエイツ社(担当者Email
akihiko_muranaka@nai.com
)まで必ず一報差し上げて下さい。
このインストールCDの、パッケージにも印刷されている24のツール(23のユーティリティと統合ランチャー)の中に、レジストリを扱うソフトとして「レジストリウイザード」がある。
「レジストリウイザード」には4つの機能がある。詳細は付属のマニュアルに任せるとして簡単に紹介すると、『バックアップおよびレストア』では文字通りレジストリの退避・復帰ができ、『クリーン』では当 Regist"o"ry でも
不要と思われるレジストリキー
として挙げているうちの幾つかを安全に削除でき、『修復』では孤立したレジストリエントリを削除するだけでなく修復することができる。『チューンナップ』機能については当ページに最も深く関係するので、もう少し詳しく説明する。
操作上の重要事項は全てマニュアルに記述してあるので、ここではどのようなレジストリ再構成が行われるのかのみに着目しよう。
チューンナップをウイザードに従って進めると、再起動待ちの画面になる。
再起動を止めて Windows フォルダを覗いてみると、
SOPTREG.DAT
・
UOPTREG.DAT
というファイルがある。ファイル名が示す通り最適化後のレジストリ(
S
ystem.datを
OPT
imize/最適化した
REG
istry)であり、
WININIT.INI
(再起動後、Windowsが立ち上がる前に実行すべきコマンドを記しておくファイル)内にもそれぞれをSYSTEM.DAT・USER.DATに置換する記述がある。
一体、両ファイルはどのように最適化された結果なのだろうか? 別名でバックアップしておき、Windows を起動させてから、拙作
Registr!p
で分析してみよう。別名で保存しておく理由は、折角最適化されたレジストリであっても、起動時に発生するレジストリアクセスにより、すぐに「汚されて」しまうからである。
分析の結果は驚くべきものであった。
「レジストリウイザード」の「チューンナップ」について、マニュアルの説明文中に次のようなくだりがある。引用させて頂くと・・・
レジストリウイザードのチューンナッププロセスは、レジストリファイルを最適な順序で再構築するというものです。チューンナッププロセスでは、情報は削除されません。レジストリをソートし、
エントリの削除によって生まれた
「穴」
を取り除くことによって、レジストリをコンパクト化します。
この「穴」とは、Regist"o"ryで言うところの「デッド・ギャップ(D-Gap)」のことであろう。ゴミ領域以外の何者でもなく、通常の方法では完全には取り除けない「デッド・ギャップ」を、「レジストリウイザード」は悉く潰してくれるのである(なぜかRGKNブロックに対しては行われていないが)。それだけではない。「空き領域(Empty)」に極端なサイズ差がないということは、きちんと計算された最適化であることを物語っている。
「レジストリウイザード」実行ファイルをクイックビュアで覗いてみると、ADVAPI32.DLL(レジストリアクセスAPI)にアクセスしてはいるものの、レジストリキーを作成するAPI関数を一つも利用していないようである。やはりメーカ独自のレジストリ作成ルーチンで最適化レジストリを作り出しているのだ。
惜しむらくは、この最適化によって「幽霊キー」ができてしまう時があることだ。
例に漏れず日本語キーで引っかかっている。詳しく調べてみたところ、日本語名のレジストリキーを含むレジストリファイルを不用意にリアルモードで読み込んでしまったときと同様の「幽霊化」が確認された。もともと外国製のソフトウエア(だと思う)なので仕方ないかも知れないが、日本語化する際に修正してもらいたかった。今後のリビジョンアップに期待したい。
個人的には非常に優れものであると思っているが、「幽霊キー」を作ってしまう弱点のため、PC初心者にはあまりお薦めできないと言わざるをえない。現段階では自分で幽霊キーを駆逐できるスキルを持った人が使うべきだろう(幽霊キーが生成したからといって、バックアップを戻したのでは、このソフトウエアの意味がない)。ただこの一点さえ改善されれば、知っている中では最強のレジストリ再構築ソフトとなろう。
※追加事項:
「Nuts & Bolts Ver.2.0」は Windows95/98 用でありながら、且つ「
DOS/V
」用である。メイン機「PC-9821Xa7」にインストール後、再起動すると kernel が頻繁に例外で落ちるのをおかしいと感じ、じっくり説明書や箱を調べるまで、私は全く気付かなかった(恥)。パッケージの背中に、ちんまりと「DOS/V用」と書いてあったのだ…。
DOS/V機も持っているのだが、主たる作業環境はやはりメイン機であるし、やり場のない腹立たしさと意地を込めて、PC-98でも動くようにしてみた。
もちろんこれはメーカ保証外の行為であるので、以下の記述を参考に「私もPC-98で動かしてみよう」という方がおられても、自己責任の元で行って頂きたい。
さて考え方として、基本的に Windows アプリケーションである以上は、DOS/V 機であろうが PC-98 シリーズであろうが問題は無いはずだ。ではなぜ正常に動かないのか。DOS/V 機に固有の部分を利用するようにプログラムされているものがあるからだ。ならばハードウエアへの依存度が高いソフトだけ使わなければ良いのである。
当方で確認した「PC-98シリーズでは動作しないユーティリティ」は次の通りである。
・McAfeeイメージ
「有効なドライブが見つからない」と表示され、自動終了する
・Discover Pro
例外エラーで凍る
・Disk Tune
一般保護違反が起き、強制終了する
・Win Gauge
例外エラーで凍る
・2000年チェッカー
途中でフリーズする.内蔵時計の設定がメチャクチャになる.
※なお、これら以外の全てのユーティリティがPC-98シリーズで正常に動作する意味ではない
インストールウイザードの中で、スタートアップに登録するユーティリティを選択するが、PC-98シリーズでは
上記ファイルを絶対に選ばない
ように。万が一スタートアップに登録されてしまい、正常に起動しなくなったら、セーフモードで起動してスタートアップフォルダにある上記ファイルへのショートカットを削除または別フォルダに移動すればよい。
導入が成功し、Windowsが正常に起動しているときに、PC-98シリーズでは上記ファイルを実行してはならないことは、言うまでもあるまい。
また、メーカが今後パッケージの内容を変更などして、この導入方法が通用しなくなることもある。
入り口へ戻る
ページを戻るときはブラウザの戻りボタンで