突然転がり込む?

 これまでにも何度かノートパソコンに手を出してきた。その都度、違った目的で購入していたが、いずれも使い始めてみると欠点が判明したり横やりが入ったりで、何となくどうでもよくなってしまってホコリを被って記憶の隅に追いやられるという、非常に情けない結末に終わっていた。
 最初のノートは、PC-9801NS/A。ノートパソコンの省電力性に目を付け、とある自作ソフトの連続運転に使おうとするが、ソフトの開発遅れと、会社での自分機としての使用義務が重なり、当初の目的から外れた使い方を強制された挙げ句、やがて会社で用意された素晴らしいスペックのデスクトップパソコンのおかげで、この98ノートのチープさが強調されてしまい、何だか出番がなくなってしまった。
 次のノートは、初代Let's Note mini(AL-N0)。トラックボールへのあこがれと、モバイルを気取るつもりで購入したが、目玉であったトラックボールの使い勝手が自分にとっては猛烈に悪く、クリックで指がつりそうになるのと同時に、640×480と狭い画面で、液晶がDSTNなので見にくいことは結構な災いであった。それら全てを飲み込むつもりで購入したはずだったが、いつのまにか心が遠ざかってしまっていた。Linuxサーバとして復活しかけた時期もあったが、工事停電のためにマシンの灯を落としてからは、ずっとそのまま放ったらかしであった。
 その後、平成11年に入った会社で自分用のマシンが欲しくなり、どうせなら会社でも家でも出張先でも使えるようにと、軽量サブノート Dynabook Portage SS 3330 を購入。当初は目論見通りに使えていたが、SS3330にデータが増えてくると、このノートパソコンを持ち歩くことは、大金を持って歩き回るよりも危険なことなのではないかと考え始めた。万一運搬中にハードディスクがクラッシュしたら、大量にある仕事のデータがパーになるからだ。また、このノートパソコンを社内LANから切り離している間、このマシンにあるデータには同僚がアクセスできない問題がある。となると、ノートパソコンなのに据え置くしかなくなる。据え置くには画面が小さいので、コレで本格的な仕事は難しい。 など考え抜いて、社内の自機ノートパソコンは降板した・・・のはイイが、行き場が無くなった。

 これまでの反省として、サブマシンとしてのノートパソコンは、自分にはうまく使い切れないのではないかとの結論が得られた。考え方を変えてみる。もっと手軽に、手帳代わりに使えるパソコン、丁度、WinCEのようなもののほうが、使えるかも知れない。
 とはいえ、WinCE機は画面が小さいし、メモリが少ないし、OSやCPUが違うのでそれ用のソフトウエアを必要とする。ちと面倒くさい。Win9xマシンで、WinCEのように使えるマシンはないものか?
 リブレットやカシオペア・ファイバのような極小ノートで有れば、この希望は叶うかもしれない。しかし、予想できる次の問題は画面の小ささとポインティングデバイスの使いにくさだろう。
 そんな思案の暗雲に、パソコン雑誌が光条を差した。富士通 FMV BIBLOノートの新型(MC3)は、タッチパネルが装備されたB5サイズだという。CPUのスペックは不問だが、とりあえずCeleronだし、メモリも128MB積めればまあまあだし、HDDはどうせ載せ変えるので関係ないし、バッテリも3時間もつなら大丈夫そうだし、他の心配はCDドライブに今持っているものが使えるかどうかと、画面がSVGAサイズで少し狭いことだ。リカバリさせる環境は絶対に用意しておくべきなので、どんなCDが繋がるかは無視できない。画面サイズについては、電子地図を見ようとたくらんでいるので、800×600ではいささか狭い感がある。まぁ、これは贅沢な理由だが。
 などともたもたしているうちに、世代が交代し(MC4)、CDドライブが標準で添付され、画面がXGAになった。むう、これはもう買うしかないでしょうな。

 ってなわけで、SS3330を身売りして、MC4をゲットしようと動いてみた。パソコンショップに行ってSS3330を売るといくらになるか尋ねてみたら、下取りに出すなら高く引き取るということだったので、BIBLO MC4を考えていると言うと、店員は店の奥に引っ込んで何やら調べているようだったが、戻ってきたら「何とか1台確保しましたので・・・」だと。 はぁ? ワシ、まだ頼んでへんっちゅうねん。
 そういえば過去に、家から一番近い家電店でパソコンの値段を尋ねたら、価格を調べてお答えしますと保留にされ帰されたうえに、数日後に「入りました〜。xx円デス。」とふざけた電話回答をもらったことがあった。こっちは買うともナンとも言ってないのに、値段や機種を聞くだけで購入契約にされてはたまらない。買う意思があるだけで買ったことにできるなるなら、どんな商売でも失敗しないだろう。もちろん何も答えず電話を切った。取り寄せてしまったことに難癖つけられそうな気がしたからだ。以後、この家電店には近寄っていない。
 まぁ、MC4は早晩買う予定があったし、下取り価格もそこそこだったので、甘んじて発注を掛けることにした。腑に落ちない部分があることもまた確かだが。

 さてこのマシンを安心して手帳代わりにするには、何はなくとも振動に弱いHDDを何とかしたい。実際にむかし、同僚がノートパソコンを運搬後(電車で移動しただけだが)にハードディスクが壊れていることを発見したことがあり、それ以来、HDDも壊れやすいもので身近に起こりうる事故かもしれないと、怖くなってしまった。WinCEやPalm、ザウルス等は当たり前だが皆Flashメモリを記憶媒体としている。このマシンも、Flash-HDDに交換すれば、ある程度は安心できるかな?
 「ある程度」というのは、Flashに書換え寿命が有ることへの不安を意味している。もちろん、逆に磁気ディスクなら無限回数書き込みできるということではないのだが、Flashへの書き込み保証回数100万回というのが、果たしてHDD用途として実用的に見た場合、短命に終わるのか否か。組み込みのROMなら気にする必要の無い問題なのだが。
 究極的に考えれば、普段の安心を買うために高額なFlash-HDDを導入するか、通常の磁気HDDで運用して壊れたら買い換えるか、どちらかだろう。通常の運用の中でディスクを壊してしまう確率と、いつかディスクが壊れてしまう確率。使い方次第でどちらが上にも下にもなりそうだ。Flash-HDDへの興味もあるし、ここはFlash-HDD搭載の道を歩んでみようか。

 それならそれで、準備すべきことがある。
 Flash-HDDは300MBで10万円ほどする高額な機器なので、できるだけWin9xをダイエットしなければならない。とりあえず今の環境のまま、削れる物をどんどん削除して、PIM的ツールを導入した後のWin9xのように仕上げてみる。トータルサイズ、200MB以下。OSだけで50MBは切りたい。
 ダイエットしきったHDDを、Flash-HDDにコピーすれば、セットアップのために無駄なFlash書き込みを擦る必要もないし、リカバリ環境にもなる。

 となると、HDD環境は悉く破壊されるわけだから、その前にどっさり入ったプリインストールソフトをいじり倒し、リカバリCDから復帰の練習をしてみたい。

 先は長いが、資金もないのでFlash-HDD入手は年末かな。それまでぼちぼちやっていくことにする。





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