統合は国だけで十分だ


 Windows 98 が重い原因の1つとして、Internet Explorer (IE) のシェル統合がある。Windows95 OSR2.5 以降、そして、IE 4.0以降、OS と Web をシームレスにする目的で、Web ブラウザをシェルにしてしまう「シェル統合」状態で、Win9xはリリースされてきた。
 これで OS の使い勝手が格段に向上するならば、あるいは、統合の欠点を補って余りある魅力があるならば、あるいは、せめてWebブラウザが安定で安全であれば、シェル統合もイイかもな、と思えるかも知れない。しかし、Active Desktop を使わないユーザが、IE のクラッシュと共に通常の Explorer まで落とされる、果てはシステムまで凍ってしまうなどという悲劇に見舞われるのは、不幸である。おまけに統合している分、シェルの仕事が増えるわけだから動作は重くなるし。
 ってなわけでWeb上には、IE のシェル統合を解除する手法やツールが幾つか発表されている。それを適用して、我がマシンも軽くしてみる。動作が軽くなれば CPU の負担も減る(かも)だろうし、ファイルも削れるのでHDD使用量を減らせる。IE統合を解除し、IEを削除するとWebページを見られなくなるが、古いNetscape Navigator(NN)でも入れておけば、軽いしJavaも使えるし、大きな問題はない。最新の技術を使ったWebを見られない問題は残るが、サブ機にそこまで求めなければどうってこともない。

 とりあえず、一時的VAIOなページなどで紹介されている「IE-off」なるソフトを使って、シェル統合を解除してみる。
 ちなみにIE-offを実行するには、Windows Scripting Host(WSH)が必要だ。私の場合、Windowsオプションの殆どが入っていない状態なので勿論WSHも入っているはずはなく、WSHのみオプションを選び直した。

 最初、「IE-offを有効にするんだから、ONだな」と on をクリックしたら、アクティブデスクトップが有効に、しかもWebページで表示という最悪な状態になってしまった。IE統合を無効にするのだから、OFFをクリックするのが正解。

 統合を解除すると、Windowsの終了ダイアログの選択肢が5つに増える。最初はびっくりした。

 IE のシェル統合は解除された、のだが、現段階では余分なアプリケーションの無い、素のWin98状態であるため、それほど体感的に速くなったと実感できるほどでもない。少々期待はずれであったが、これだけ簡単にシェル統合を行ったり解除したりできるのは便利なので、他のマシンでも使ってみようと思った。

 さて、ここでふと、MC4のタッチパネルが効かないことに気付いた。どうやら通常のPS/2マウスと誤認されてそれ用のドライバが入ってしまったらしい。マイコンピュータのプロパティで、PS/2互換マウスのドライバを文月のCD-Rから探させてインストールした。

 本題に戻る。
 シェル統合を解除したくらいでは軽くならないのなら、IEを根こそぎ消してしまおう。Win95のシェルに切り替える方法もあるらしい。それを最も簡便に行うためのツールがある。98-Liteである。セルゲイさんのページには98Liteに関するドキュメントの和訳や注意書きがあるし、そこから実施体験者のWebへのリンクもあるので、情報を集めてみることにした。
 いろいろ記述を読んでいくと、どういうツールなのか、どういうことをしているのか、概ね理解できた。しかし、まだ細かい部分が上手く読みとれない。どういう風に実行したらよいのか、手で調整する部分はいかほどあるのか。
 こうなったら実践あるのみだ。失敗したら、また1から環境作りをやり直せばよい。そのためにこうしてメモを残しているのだし。
 かのサイトより 98Lite standardと、同じサイトに一緒にあったIE-radicator&Shellswapをダウンロードしてきた。まず、IE-radicatorを実施してみた。IE-offとどう違うのか見たかったからだ。

 infファイルになっているが、実行すると上図のようなウインドウが現れて、何か作業を行った後、次の問い合わせが来る。

 「はい」で進めて様子を見るも、特に変わったことは起きなかった。IE-offを「ON」にしてから、IE-radicatorを実行すればよかったのかもしれない。
 続いて、98Liteの実行だが、そのまえにWin95のファイルを用意して置かねばならない。Octoberを作ったときのWin95 OSR2.5があるので、それのファイルを使う。必要なファイルと格納キャビネットは次の通りだ。
ファイル名CABファイル
explorer.exewin95_13.cab
shell32.dllwin95_25.cab
comdlg32.dllwin95_11.cab
notepad.exewin95_21.cab
wordpad.exewin95_29.cab

 98liteのドキュメントによれば、Win95 OSR2.5のexplorerは既に統合型になっているから使えないとある。
 しかし私の知る限り、それはちょっと違うのではないか。というのも、Win95OSR2.5とは、Win95OSR2.1のセットアップに続いて「自動で」IE4.0の導入を行うものだからだ。実際、Win95OSR2.5のセットアップ中、IE4の導入をalt+F4やctrl+alt+delで強制終了することで、OSR2.5でありながらIE3の環境にすることも可能である。言い換えれば、IE4の導入後に初めて統合型explorerに置き換わるのであって、それまではWin95のexplorerが存在しているのだから、win95キャビネットには軽快版explorerが収まっていると考えられるのだ。
 「d:\win95\files」フォルダを作成し、これら5つのファイルを「extract /e xxx.cab yyy.exe」として解凍して展開しておく。
 98liteもまず解凍する必要があるので「c:\98lite\98lite(98lite関係でフォルダを作ってしまったので、その下にさらに同名のフォルダを設けた)」に展開した。
 98Liteを実行し、Win98フォルダを指定した後、どういう処理を行うかを選択する。IE無しWin98のセットアップか、既存Win98からIEを除去するのか、IEの統合を解除するのか、shellをWin95に交換するのか。もちろん、既存環境からのIE除去を行うのだ。
 IE除去にも、IEの残し方に3つの選択肢があるのだが、根こそぎ取り除く「sleek」モードで進めることにした。win95ファイルのフォルダを指定し、作業を進めた。
 98liteは無事成功したようなので、再起動してみると、確かにshell(explorer)がWin95時代の物に、メッセージが一部半角カタカナになり、お気に入りが消えていた。メニューの展開速度も自動でいじったらしく、きびきびと窓が開くため、かなり高速化したように感じる。
 シェルを交換するとスタートメニューの左にある「Windows98」の表示もWindows95に戻ると聞いていたが、ウチの環境では Windows98 のままだった。98liteの版が上がって細かいところまで対応してくれているのか、shell交換に失敗したのかは分からないが、とりあえず、notepadもwordpadも動くし、explorerも95版だし、不都合はないので追求しないことにする。98liteの解析が目的なわけでもないし。

 この時点での各ファイル・フォルダサイズは次の通り。
Cドライブ使用容量: 318MB
うち、windowsフォルダ: 250MB
system.dat = 1973KB
user.dat = 113KB

 IEの削除によって OLE 情報にもゴミが出てきたはずだ。RegCleanを実行してみると、44KBのレジストリファイルが書き出された。ファイルには1100行余りのレジストリキー・データの記述があったが、IEのゴミとWindowsシステムオプションプログラム(Imagingとか)のゴミが混在していた。

 蛇足だが、RegConの出番はしばらく先だ。しばらくはどんどんレジストリの空き領域を増やすことに快感を覚えさせてもらいたいので ^^;)

 セルゲイさんのwebページの訳文を参考に、消せそうなフォルダやファイルを消していこう。かのページにリストアップされているが、既にウチには無いものもあるので、実際に削除したのは次のものだ。

 同じ文書に消せるレジストリキーも書いてあるので、残っていたら消す。こちらはいちいちメモするのが面倒(レジストリパスが深い!)だったので、実際にあったかどうかはともかく対象であるものを列挙する。

 この時点での各ファイル・フォルダサイズは次の通り。

Cドライブ使用容量: 296MB
うち、windowsフォルダ: 228MB
system.dat = 1973KB
user.dat = 113KB

 レジストリキーを削除してもレジストリサイズが縮まらない理由は Regist"o"ry で書いている。今は気にしない。




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