ゲームはしないのだ


 使わないものはどんどん消していく。
 昨今のWindowsでは、IE同様、まるで必須であるかのごとく扱われている「DirectX」だが、自分はゲームをしないし、そもそも文月自体マルチメディア対応を必要とするわけでもないので、不要である。
 DirextXも、IEほどではないがシステムに食い込んでいる。となるとDirectXだけ切り離すのはホネかなと思い、もしIE-offや98Liteのようなツールなどあれば使ってみたいと探していたら、見つけたのが DirectX Uninstall Homepage。置いてあるのは、DirectXをバージョンダウンするために使う、DirectXのアンインストーラーだが、私は単にDirectXを除去するためだけに使わせてもうことにした。
 ダウンロードしてきたアーカイブ(DxUn12.exe)を解凍すると、infファイルが生成された。ヘルプを読むと「Safeモードで、同梱の inf ファイルを取り込む」とある。標準モードではDirectXの一部ファイルがシステムに使われている可能性があるからだという。分かったので早速行ってみることにした。と、その前に、Windowsフォルダを丸ごと別名コピーしてバックアップしておく。Safe モードで再起動し、「Win98DxUn12.inf」を、エクスプローラの右クリックメニューにある「インストール」で取り込んでみる。特に反応がない。DirectX診断ツール(DxDiag.exe)でアンインストール状況を見てみた。すると、一部のDirectXファイルしか消えていなかった。これは失敗したのか? 失敗だと思う・・・
 DirectX Uninstaller を見る限り、DirectX関連ファイルの削除と一部レジストリの削除だけ行っているようだ。であれば自力でもできるのではないか。というのも、DirectX診断ツールには、DirectX関連ファイルが全て列挙され、さらにはその列挙内容を診断結果としてテキストファイルに書き出すことができるのである。この診断結果のテキストを加工して、ファイル削除のバッチを作ればよいだけでは?
 DirectX診断結果から、MC4のハードウエアに依存するドライバ以外のドライバ名を残し、機械的に「DEL 」を行頭に付記して削除バッチを作った(DxDel.bat)。また、DirectX Uninstaller の inf ファイルを参考にレジストリ削除の inf ファイルも作成した(DxRegDel.inf)。これらを用いたDirectX削除の流れはこうだ。

 実践してみると、削除バッチ DxDel を実行後、Safeモードで起動掛けると、自動でマシンの電源が落ちてしまう。何度再起動してもダメなので、この方法には問題があるようだ。消しすぎたファイルがあるのかもしれない。先にDirectXの関連づけを切っておくべきだったかもしれない。
 バックアップしておいた Windows フォルダを復旧し、バッチファイルを見直すと、恐ろしいことに OLEAUT32.DLL 等も混じっていた。 OLE2の根幹ファイルである。Win98のExplorerがコレなしで動くはずもない。機械的にバッチファイルを作ったのがまずかった。消してはヤバそうなファイルをコメントアウトし、再び試みる。手順も見直し、次のようにしてみた。

 実施してみると、削除のバッチファイル中で何度か「ファイルが見つかりません」と出るものの、最後まで通り、標準起動も成功した。DirectX診断ツールで見てみると、DirectXに関する大半のファイルが「見つからない」。DirectXのバージョンも獲得できない状況だ。これなら成功と見てよいだろう。しかしまだ一部削除できていないDirectXファイルがある。削除しようとして見つからなかったファイルもある。この辺を追求する必要がある。
 ということで、もう一度 Windows 環境を戻して、DirectX削除をゆっくりと試みた。足りなかった物を補い、最終的に出来上がった「文月用 DirectX 除去バッチ」は次の2つだ。

 C:\WINDOWS\SYSBCKUPにあるDirectXファイルも削除しないと復活してしまうので注意が必要だ。
 この削除バッチで削除後、RegCleanで洗い出されたレジストリは 147KB、3100行余にも及ぶ。逆に言えばそれだけシステムにとって重要性が高そうだと言える。さらに逆を言えば、ゲームをしない人はこれだけの無駄なレジストリ領域を使われているのである。

 ばっさりとDirectXを切ってみてもとりわけ不安定になるわけでもないので、調子に乗って今度はフォントの削除を行おう。Windows Startという雑誌に載っていた「システム必須フォント」なるもののみ残し。他のフォントは別フォルダに移動する。

 リストの中にも設定次第では消せそうなフォントもあるので、今後更に突き詰めて行くつもりだ。
 フォントの移動と共に、不要そうなフォルダ「マウスカーソル(C:\WINDOWS\Cursors)」「PIFフォルダ」も削除。
 以上完了後の各サイズ。

Cドライブ使用容量: 274MB→228MB
うち、windowsフォルダ: 208MB→166MB
system.dat = 1973KB→1973KB
user.dat = 121KB→121KB

 レジストリ内には、未だ大量のDirectX、IE関連のキーが残存することが確認された。追って、撃墜するつもりだ。




 注記:
 DirectX Uninstaller のドキュメントに記載のあったことだが、Windows98ではDirectX5.2以降が必須とのこと。ただしOSとして必須ではないことは、実際に削除してもOSが動いていることから分かるわけだが、アプリケーション側の問題として「Windows98以降対応」と銘打っている物は、自動的に「DirectX5.2以降必須」と暗にうたっている可能性もあるということだ。同じ事はIEでも言える(Windows98以降対応=IE4.01以降必須)。今後、ソフトを文月に追加していく際には、注意すべきポイントであろう。



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