ファンが鳴く


 Interlinkの冷却ファンの音は、余所でも話題になっているが、ファンの回転数に不定周期に緩急が付き「ウァ〜ン、ウァ〜ン」と何とも奇怪なのである。デスクトップ機などのファンなら「フォー」とか「ブォー」など一定の音の強さの風切り音になるので、多くの人ならただファンが回っているだけの音として聞き流せるだろうが、この奇怪音を聞くと、ファンの音だろうけど変な音だなぁと気になり出し、音の正体を知っているワシ自身はよいとしても、周りの人には気になって仕方ないわけで、それはつまり耳障り、すなわち、迷惑音なのだ。
 この「仕様」は「問題」としてユーザからメーカに伝わり、「障害」として「対策」がなされ、BIOS の新版が公開された。
 過去にもBIOSアップデートはあったのだが、1024×600ドットの画面モードで縦方向が1ドット表示欠けする問題のfixだった。この画面モードを使ってなかった自分には不要だったので、特にBIOS更新を焦る気もなかった。
 今回のBIOS新版では、低解像度時の自動画面拡大機能を選択できるようにもなった。師走の改造記録でも過去に触れたが、これまでソフトウエア側でどんな解像度で表示しても、画面に表示されるときに液晶サイズの1024×600にエキスパンドされてしまう仕様だった。自分としては多少気になってはいたが、拡大表示される方が見易いので気に入らないという程でもなかったのだが、何でもかんでも横長に表示されるハードウエアに業を煮やしたユーザは多かったらしい。私も、気にならないと言っても、設定した画面設定通りに表示できるのならそれに越したことはないわけで、今回のBIOSを使って、師走を更新してみることにした。

 BIOSの更新にはFlashメモリの書き換えツールが必要だ。メーカーのページで紹介されているのは、WinXP専用の書き換えツール。ウチはWin98なので全くとりつく島もない。某掲示板に情報を探すと、ASUS の web サイトにある dos 用の bios flash 書き換えツール「AFLASH.EXE」の ver 2.06 以降なら使えるとのこと。
 早速 aflash をダウンロードしてきた。起動フロッピーを作り、aflash.exe と 新bios(ver1.09)をコピーし、師走をそのFDから起動する。まず、現在の BIOS rom (ver1.05)をフロッピーに保存し、それから新しいBIOSを書き込む。画面説明は英語だが、機能はシンプルなので迷うことはなかった。
 旧いBIOSを吸い出しながら、旧機 November を思い出した。November の M/B 用の BIOS だが、海外向け用のためサイズが異なっていたのに上書きしてしまい、マシンが全く起動できなくなったことがあったのだ。Interlink の旧BIOS も、これに戻す為には新BIOSで正常に起動できることが大前提で、flash 書き換えに失敗したときの保険にはならないんだよなぁ、と悲観的なことを考えてみたりした。
 幸い BIOS 更新は成功し、ファンの「ウァ〜ン」音は見事に解消された。画面拡大機能も、BIOS設定で使えなくしてみた所、800×600の画面が縦長に、もとい、正常に表示されるようになった。


 さて、先日の無線AP探しの結果を踏まえ、再度バッテリーの持ちを計ってみた。
 とりあえず前回と同じ条件、変わった所はHDDがCFになったくらいだ。負荷は次の動画ファイル。

 手順も同じだ。ACアダプタを外して内蔵バッテリーで起動し、メディアプレーヤを立ち上げる。無線LAN経由でメイン機の動画ファイルを指定し、無限再生する設定にして再生、液晶の輝度を最大にする。最終的に電源がスコーンと落ちて終了。

 前回と殆ど変わらない結果となり、要するに無線LANとCPUを使いまくりだとHDDが何であろうと内蔵バッテリーでは40分程度持つのが関の山ということらしい。
 ただ、前回と大きく変わったのは温度上昇だ。
 BIOS更新とHDDのフラッシュ化の両方に加え、室温も原因と思うが、前回のテストでは約10℃の温度上昇があったのに、今回は約8℃のアップにとどまった。37℃前後の温度は人間の体温程度、熱いというほどでもない。前回より室温が4℃低いので、温度上昇率を同じように評価して良いかというと疑問だが、絶対的な表面温度は明らかに下がっており、正直に嬉しい点である。
 師走の電源が切れた直後、筐体外部温を計っていたデジタル温度計の値が急に動き出したので暫く続けて計ってみたら、0.4℃の温度上昇があった。パソコンの電源を切った後に待機電流でファンを回して筐体内温度を下げるアイテムが売られているが、確かに意味があるのかも知れない。
 逆に、ファンが止まった瞬間に筐体温度が上がり始めたのだから、ファンによる排熱が適切に行われていることと、ファンが故障したら筐体内部に熱が籠もるであろう危険性が、予測される。

 やっぱり、無線を使わないテストも要るぞ。





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